整地後の雑草

曇天が無遠慮に舐めた室内の平常は陽光のひと射しにより一瞬で回復し更には見慣れた机上の配置までもが思いがけず清められたのには驚いた。こんな些細なことで、と思い、つまり普段はこうした変化を些事と捉えているのかと自分にがっかりする。

いいかげん大人に、と幾度か耳にした忠告を不意に思い出しなんとなく寂しいような気になったけれど獣道のことは誰も知らないのでそもそも寂しがるような筋合いもないと思い直した。ただその声に混じっていた苛立ちやごく淡い否定の響きや嘲る調子については未だに納得のいかないところがある。なまじ関わりがあるから均したいと思うのか、もしそうなら自分の所属する世界に異物をまぜるのはいやだという意識が少なからずあるのだろうが事故のない箱庭を私は知らないのでどこまで真剣なのかわからない。きれいなものは汚くなるし汚いものは汚いけれどきれいにみえる瞬間もあるしきれいなものがきれいなままの時期だってある。何が言いたいかというとほとんど何も考えずにここまで書いたということでつまりこれは単なる腹ごなし。

燃やした星のにおい、遠い声、ひとりぶんの闇。

明日は雨の予報で旧友に会うのを延期にしたので一日じゅう家のことをして合間に本を読む予定。こういう予定がいちばん好き。